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尺23 「金山」 仙北市田沢湖生保内字生保内沢国有林


地形図とルート
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登山口から沢尻岳の分岐までは 二等三角点 世20「茂古山」を参照のこと←リンク
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モッコ岳方面から望む本峰
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沢尻岳付近は夏道が出ていた
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沢尻岳山頂
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山頂にある図根点。完全に標石が露出していた。新字体なので比較的新しいのもか
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沢尻岳から望む高下岳、大荒沢岳、朝日岳
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沢尻岳から大荒沢岳との鞍部へと向かう
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急坂。念のためアイゼンを装着。傾斜があるので九十九折に登る
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山頂の肩付近。先日、誰かが登ったようで踏み跡が残っていた
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山頂手前。再び夏道となった。三角点は雪に埋もれていないようで一安心
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山頂に到着
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標石
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上部
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朝日岳。一週間前なら残雪を使って登頂できたかもしれない
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奥羽の銘峰「和賀岳」近いようで遠く感じる
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先程登ったモッコ岳
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朝日岳と包丁峰(1800×514)
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山頂の肩から秋田駒、モッコ岳、岩手県側の景色
---基準点詳細---
基準点コード:TR35940362201
点名:金山
俗称:大荒沢岳
所在地:秋田県仙北市田沢湖生保内字生保内沢国有林
冠字選点番号:尺23
種別等級:三等三角点   
地形図:鶯宿
測地系:世界測地系(測地成果2011) 
北緯: 39°36′14″.8840
東経:140°46′55″.7501
標高:1312.80m
選点:明治44年05月15日
設置:明治44年07月30日
観測:明治44年09月01日
備考:加茂 好太郎
---訪点記録---
訪問日:2014.05.11
自動車到達地点:沢内貝沢・登山口(要4WD車)
歩道:登山道あり(残雪を利用する)
周辺:笹地・灌木
状態:正常
保護石:1個確認
出発時間:07:18 駐車地(モッコ岳経由)
到達時間:12:56 三角点到達
出発時間:13:22 三角点出発(沢尻岳経由)
到着時間:15:13 駐車地
全行程:405分
備考:
---訪点の記---
三角点までの道のりが笹や灌木の激藪で、残雪期にしか容易に登れない山の一つにこの奥羽の脊梁にそびえる「モッコ岳」がある。この「モッコ岳」へは峰続きで手前約1キロほど南にある「沢尻岳」(国地院の地形図では無名でP1,260m)との分岐まで登山道があり、大荒沢岳(国地院の地形図では無名でP1,313m)高下岳へと続いている。この残雪期に往復2キロほどで県境の分岐から登れるとあって私はこの三角点探訪の機会を狙っていた。

当日、現地は雲一つない快晴。渡渉地点も無理なく車で通過して登山口まで辿り着くことができた。牧草地は春の陽射しと新緑で燃えるようなコントラストだった。その奥に目指すモッコ岳の山の頂きは未だ白く雪を抱きその存在を誇示していた。

登山口から歩き出し牧草地の奥へと向かった。左側に見える沢筋は森の中を縦横無尽に走るように流れた跡があり、暴れ沢なのを教えてくれた。

入山地点から杉造林地の坂が始まった。次第に高度を上げると、ヒノキやブナが現れるようになった。

ヒノキとミズナラのコラボや奇形のヒノキ、ブナの巨木などが点在してなかなか面白い尾根だったが、続く急坂の連続に次第に汗を絞られた。郡界分岐付近から国有林の小さなコンクリート境界標が尾根沿いに続いた。

急坂は前山分岐地点まであり、ここから残雪がたっぷりある尾根歩きとなった。次第に高度が上がるにつれて視界に目指すモッコ岳と岩手山の姿がハッキリと入ってきた。

前山分岐からの登りを終えて固く絞まった雪庇の上を歩いていたが、上部にそれ以上にはつながっておらず、雪庇は途切れていた。尾根に戻れば夏道があるだろうと考えて藪尾根に入ってみたが、夏道を見つけることができなかった。さらに藪が濃くなってきたので、仕方なく残雪のある場所まで高度を下げてルートを修正した。

その残雪のある斜面を登りきると視界が開けたが、目の前に更に濃密な笹と灌木の激藪が現れた。誰かがまだ積雪のある時期に木に目印をつけたようだ。この付近に夏道があるはずなのだが、私は探す事ができずにこの場所の周辺をウロウロと右往左往して時間を大幅にロスしてしまった。

モッコ岳への体力を考えて藪漕ぎは回避したかったので、やはり少し遠回りでも残雪を追っていこうと考えて、未だ雪が残る沢筋にかかる斜面をトラバースしながら進むことにした。

意外にも歩き始めて直ぐに藪の間に夏道を見つけた。やはり藪に入らなくて良かったと思ったが、藪を少し漕いでも夏道に出たと思う。

沢尻岳の肩が見え残雪が途切れなくなったので、夏道を辿るのはやめて雪面を登り始めた。さらにモッコ岳の山容が見えてくると、辛うじて山頂手前まで残雪がつながっていたのを確認した。

雪面は陽の光に照らされてだいぶ柔らかくなっていたが、登山靴では滑りやすく、モッコ岳山頂手前の雪庇個所のことも考えてアイゼンを装着することにした。

アイゼンを装着して足下も安定したのでずいぶん歩きやすくなった。沢尻岳の肩から奥羽の脊梁に乗り換えて、いざ出発。

最初の藪は西側に迂回して進んだ。雪面はクラックが入っていたが、安定していた。しかし、油断はしないように慎重に進んだ。

急斜面のアップダウンを繰り返し山頂の肩の急斜面を登ると残雪は消えた。雪庇の割れ目を覗き込むと3~4mほどの深さがあったろうか。この区間はアイゼンとピッケルがあった方が安心かもしれない。また、残雪が途切れた上部は笹や灌木、ハイマツの濃厚な藪で容易に進むことができそうにない雰囲気だった。

私はトレポとアイゼンを脱ぎ上着を着込むと藪に突入した。なるべくハイマツを避けながら進もうとしたが、ハイマツだらけでなかなか進むことができなかった。仕方なく西側斜面に笹と灌木帯を見つけてそちらへ逃げた。こちらも激藪だったがハイマツ地帯より進むのが遥かに容易だった。

しかし、その苦労した藪漕ぎが突然終わりを迎えた。右手の奥(東斜面)に残雪があったのだ。私はすぐさま残雪を目指して藪を漕いで出た。視界が開けて岩手県側の景色が広がった。残雪は山頂部の少し手前まであり、10mほど笹藪を漕げば到達することができそうだった。その昔の登山道の名残であろうか。よく踏まれた道に笹が生い茂っていた。向かい藪だったが到達の喜びが次第に湧いてきて苦にはならなかった。

そして、山頂に到達。山頂は1畳分くらいの藪のないスペースがあり、周辺の藪も背丈が低くて眺望を楽しむには不足がなかった。

それにしても好天に恵まれて素晴らしい眺めである。

さっそく三角点を探すと二等三角点は藪のないスペースから東側にあり、山林局の主三角点は西側にあった。共に保護石はなく欠損もない状態で状態は良好だった。

一通り写真を撮ると私は休憩することにした。空腹になってきたので、オニギリと前日山で採ってきた葉ワサビを醤油漬けしたものを食べた。

食後はくつろいだり、カメラで景色を撮ったりと大自然の中で有意義な時間を過ごすことができた。このまま昼寝をして帰りたかったが、次に目指す大荒沢岳の三角点に向かうため、後ろ髪を惹かれる思いで山頂を後にすることにした。

再びハイマツの藪には入り込みたくなかったので、残雪を辿り迂回して戻ったが、アイゼン無しでの急斜面のトラバースは危険を感じた。とても急斜面ではあったがホールドするものには困らなかったので何とか切り抜けることができた。

そして、再びトレポとアイゼンを置いた場所に戻り大荒沢岳を目指した。気温も上がり陽炎も見えるほどであったが、沢尻岳の方向を見ると登山者がいるのに気がついた。

沢尻岳付近の夏道を探して沢尻岳の山頂に辿り着くと地元岩手の巡視員の方だった。登山ルートの話や熊の話とか、いろいろとこの山塊の事も教えてもらった。

沢尻岳の頂上には図根点の標石があり、新字体で「図根点」「公共」「山」と掘られていた。近年のものだろうが完全に標石が露出していた。

沢尻岳から見る大荒沢岳の最後の登りの残雪が急峻で不安だっが、誰かが歩いた跡を確認できたので、これは行けると考えたので、私は巡視員の方と別れて大荒沢岳へ向かった。

沢尻岳の下りから大荒沢岳との鞍部でアイゼンを装着してさっそく斜面に取り付いた。この斜面から見えるこの山塊の荒々しい景色はたいへん感慨深いもので、人間の力は自然には太刀打ちできないのだという圧倒的なスケールを見せつけてくれるダイナミックなものだった。特に朝日岳からニノ沢畚に続く尾根の急斜面は雪崩に洗われて凄まじい自然の迫力を感じさせてくれた。

気温の上昇と共に雪面も腐れ雪となり、ステップも良く効くようになったが、態勢を崩して大荒沢川側に滑落してしまうと一枚バーンになっているので大荒沢川までノンストップで滑り落ちる可能性があり油断できなかった。

最後の急峻な雪斜面に付けられた踏み跡は直登したようだが、体力のない私は九十九折にステップを切って高度を稼いだ。歩数は増えるがこの登り方が場合によっては有効で安全で確実なので私には合っている気がした。

その急斜面を登りきると和賀岳が見えてきた。頂上手前からは雪が消えていて夏道がでていたので、アイゼンを脱いで夏道に復帰した。

夏道は三角点まであり、周りが奇麗に刈り払われていた。少し藪丈が高くて眺望は良くないが素晴らしい景色だった。北側に先に登ったモッコ岳が見えた。

三角点は状態も良く保護石は一つだけあった。周辺に営林署の標石などないか探したが確認はできなかった。

それより、もう一週間ほど早ければ朝日岳まで残雪を利用して登ることができたかもしれない。今年は大荒沢岳の山頂から指を咥えて見ることしかできないが、いつかその頂きに立ちたいものである。

沢尻岳にいた巡視員の方はいつの間にか下山したようで再び私が沢尻岳の山頂に着いた頃には風も強まり始めていた。

もう下山した方がいいだろう。山の神に囁かれたような気がして名残惜しさのを感じながらこの山塊を後にした。
---地名の由来・追記など---
★大荒沢岳 荒沢 流れの早い沢。氾濫の多い暴れ川。急流で「荒川」に同じ。抜粋「地名へのいざない」戸澤敬三郎 P14 アラサワ・アラカワ
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秋田県内に設置された、三角点の探訪記。

主に、明治時代に設置された一等~三等三角点を訪れています。

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秋田県内で、藪の中をゴソゴソとやっている人がいたら、それは私です。

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