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能52 「奥前森」 湯沢市高松字高松沢国有林


地形図とルート
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ビュー: 三等三角点 能52 奥前森(撮影: deco yama3


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奥宮山から望む本峰。山奥にあるため山頂はなかなか見えにくい
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三途川集落から望む前森。第一ルートの予定だったが、その峻険さゆえに断念した
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林道から望む奥宮山(左側)と焼石山塊(奥)
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林道終点から小比内山へ続く稜線を望む。一見、草が枯れて歩きやすいように見えるが・・・。
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林道終点から望む本日のルート。奥前森の山頂は尾根を越した先にあるため見えない
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桑ノ沢に降りる杣道を発見して下降するがこの時期でないと発見は難しい
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桑ノ沢に降り立つ。緩やかな流れに一安心
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目的の尾根に取りつくために沢を下った。イワナが泳いでいた
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取りつき尾根の沢との出合い付近
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取りつき尾根。急坂を登る
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登りきると緩やかな尾根となった
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復路に使った尾根を望む
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次第に痩せ尾根となった
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天気も良くこのまま順調に登れるかと思ったが・・・
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次第に藪が濃密になってきた
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振り返って、入山地点と狢森を望む
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とりあえず一の尾根を登りきって進路を北に変える
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笹と蔓植物が絡み合っている藪はなかなか進まない
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二の尾根のピークが見える。すぐに辿りつけそうに思えるが・・・
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濃密な笹藪の登場。尾根の両側は切れているので迂回できなかった
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この藪でかなりの時間ロスをした
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二の尾根ピーク手前。一歩ずつ確実に歩みを進めた
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藪中から視界が開けた。この瞬間が藪山の醍醐味である
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二の尾根ピーク手前。かなりの体力を消耗してしまった
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もう覚悟を決めて着実に歩みを進めるのみ!
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二の尾根ピークに立つ。ようやく奥前森を望むことができた
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藪が多少薄くなり歩きやすくなる
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再び視界が開ける。栗駒山や足倉山方面の景色
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雪を被った栗駒山
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ようやく奥前森が近づいてきた
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尾根分岐。進路を東へ変える
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東鳥海山
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湯沢市方面の景色
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激藪を漕いできたのでこの位の藪は歩きやすかった
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危ない!落葉に埋もれた湿地。底なしかもしれない(笑)
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藪が薄くなり進みやすくなった尾根
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あともう少し!疲れと期待感が入り混じる
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三角点付近に到着!と思ったが、落葉が厚くて標石を見つけることができなかった
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諦めたらダメ!執念で標石を見つけ出す!
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三角点標石
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上部
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簡易レベル測定と携帯電波状況
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帰路、二の尾根を下る。痩せ尾根で危険な尾根だった
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緊張感が続いたが普段では見ることができないこの山塊を存分に楽しむことができた
---基準点詳細---
基準点コード:TR35840442401
点名:奥前森
俗称:
所在地:湯沢市高松字高松沢国有林15林班へ2小班
冠字選点番号:能52
種別等級:三等三角点   
地形図:稲庭
測地系:世界測地系(測地成果2011) 
北緯: 39°01′07″.8772
東経:140°33′01″.4451
標高:907.86m
選点:明治42年05月30日
設置:明治42年07月31日
観測:明治42年08月27日
備考:青木 一郎
---訪点記録---
訪問日:2014.11.08
自動車到達地点:高松林道終点(起点より約11km)
歩道:なし 渡渉、尾根伝い、藪漕ぎによる
周辺:広葉樹林・笹地
状態:正常
保護石:0個確認
出発時間:08:05 駐車地
到達時間:11:01 三角点到達
出発時間:12:00 三角点出発
到着時間:13:48 駐車地
全行程:343分
備考:
---訪点の記---
本点探訪は2011年から計画していたもので、その山容から三角点までのアプローチは容易ではなかった。

まず、第一に考えたルートは三途川集落の北端にある堰堤から国有林に入山して、尾根伝いに南南西進P510を越え、P588(図根点)から続く峰を南進、P843から尾根伝いに本点を目指すものであった。またP588からは15,16林班の界になっている。核心部分はP588とP843の峻険な地形とP843から三角点までの藪である。

第二に考えたルートは、三途川集落から狢森まで延びる高松林道終点から桑ノ沢に降り、渡渉しながら本点に続く南側の尾根を伝うルートである。核心部分は桑ノ沢下降と渡渉できる状態(滝があるとアウト)にあるかと、尾根取りつきから三角点に続く稜線の藪の状態である。 

ちなみに明治時代、三角点の設置、観測には小安沢を苦労して遡行したようである。

登る時期も第一、第二とも渡渉があるので渇水期を選び、藪に勢いがない時期、高松林道に積雪がない時期を考えると、雪が降る寸前の晩秋しかないと考えた。

結局、決行当日までどちらを登るか決められなかったので、どちらの計画でも登れるように準備して現地に行ってから決めることにした。

この三途川周辺は両岸に峻険な山がそびえていて、本峰は山頂部が限定的に見えるのみの奥山である。前衛の山々は険しい地形で、第一計画のルートになる山容を確認するためにビュースポットを探した。そこから望むP843峰まで続く尾根はとても急斜面で痩せ尾根のようでだった。果たして登れるか不安だったが、高松川の渡渉地点を確認するため三途川の集落に入った。

この日の朝、高松周辺は霜が降りていて特に気温が低かったようだった。所々で屋根の煙突から吐く白い煙と家々の佇まいが、ノズタルジックな雰囲気を醸し出していていた。

高松川の堰堤に降りて行く道を確認。対岸にも道を確認した。しかし、先程の前衛峰を思い出すと、その険しさゆえにまだ私はルートを決められずに躊躇していた。

やはり狢森の高松林道終点からも偵察してみようと思い、そのまま林道に向かった。

この高松林道は以前(2011年)、狢森、大倉山、万立(P871)の三角点探訪で走ったことがあった。林道終点に「歩道入口」と標柱があったのを憶えている。私は国有林の巡検路があるのかもしれないと思っていた。

林道は高度が上がると方向によって展望が開ける場所がある。これから長い冬が始まると思うと、晩秋最後の陽の光はありがたく感じた。

途中で前衛P843峰を望める場所があった。実際に見ると想像していたよりも斜面が険しい。この斜面を登って山頂まで藪漕ぎをするのは、時間的にも体力的にも不可能だと思った。この時点で私は狢森からのルートを辿る決心をした。

高松林道終点に着いて朝食にサンドウィッチを食べながら身支度を整えた。もちろん、この場所から三角点峰を望むことはできない。峰を二つほど挟んでいるからだ。

「歩道入口」の標柱は記憶と違って小比内山方面へ向かうものと思われるが、覗いてみると藪だらけになっていた。ということは、桑ノ沢へ降りる道は無く、藪漕ぎして降りないといけないかと思った。私は地形を見定めて下降する枝尾根に向かった。

すると微かに踏み跡がある小径を発見した。この時期でないと気付かなかっただろう。私はその小径を辿り下降した。落葉が積もり急斜面なので大変滑りやすかった。本当にこの小径の存在はありがたく感じた。山菜採りか釣り師が開いたものであろう。

桑ノ沢に降りると両岸に崖が迫っていたが、穏やかな浅瀬が続いていた。ゴアの登山靴を履いていたが、なるべく濡らすまいと渡渉した。少し進むと葦が群生していたが、全て枯れて歩きやすくなっていた。また沢の流れの中に小ぶりだがイワナが逃げ惑うこともあった。

沢を0.4km程進む(下る)と北側からの支流との出合いに辿りついた。手前の尾根(一の尾根)、少し奥にある尾根(二の尾根)のどちらを登るか迷ったが、二の尾根は急斜面だったので、一の尾根を登ることにした。一の尾根に登ると三角点までの距離が必然的に長くなるが、私はそれでも構わなかった。

最初の急斜面を登ると比較的歩きやすい尾根になった。尾根沿いにクロベの巨木が林立している。次第に高度が上がると尾根は藪化していったが、木々はすでに葉を落としている状態なので歩きやすかった。しかし、弾いた枝を目に入れないように充分に注意したが、それでも顔に枝が当たり時々激痛が走った。

稜線手前から笹藪が密になり、なるべく避けながら進んだ。進路を北の稜線に変えなければいけないのだが、笹藪と蔓植物が複雑に絡んだ藪を形成していた。鞍部から次の稜線ピークまでは笹の激藪が続いた。笹藪は低く見えても実際には背丈を越えるもので、この区間の通過は筆舌に尽くしがたいものがあった。

二の尾根との合流地点にあるピークからは少し藪が薄くなり歩きやすくなった。所々で視界が開け眺望を得ることができた。栗駒山が雪化粧していた。

すると突然、小安沢の源頭部からもの凄い勢いで登ってくる動物がいた。熊かと思ったが、威嚇の声を出して迫ってきたのは「カモシカ」であった。私も声を出したり音を出したりしたが、止まる様子はなかったので、身の危険を感じ、ザックの中から三角点探訪で使う草刈鎌をだして来るのを待った。姿見えぬ獣が私に迫り緊張が走る。
そして、私は一つ深呼吸をしてから思いっきりの大声で狂ったような奇声を発した。するとそれを聞いたカモシカが逆に驚いたようで一目散に沢へ下って行った。これが熊であれば命はなかったと思う。

さらに進み小比内山から続く尾根との分岐点からは進路を東に変えて向った。目指す奥前森はまだ遠く感じられた。激藪区間を通過した後なので多少の藪でも歩きやすく感じた。鞍部には沼のような湿地があった。落葉が積もって分かり難かったが、落ちればそれなりに深いもののように感じた。ここは迂回してルート取りをした。そして、いよいよ奥前森の三角点と御対面の時が来た。

周辺を探すも「三角点がない!」そう、分厚い落葉に埋もれてしまってどこにあるか分からなかったのである。しかもGPSの感度が悪いのか、三角点のある場所が斜面を下った中腹を指してしまう。

GPSは当てにならないので地形読みを行う。しかし、分厚い落葉の層が邪魔して地形が読めない。思い当たる平らな部分の上層の落葉を剥がして鎌の先で突いて回った。それでも三角点は見つからず・・・。

ここまで来て三角点の標石を見つけることができないのは悔しく思った。時間も12:00がタイムリミットと決めていたので、諦めて昼食にすることにした。ふとGPSの画面を見ると電波状態が安定してきたのか、位置が落ち着いてきていた。ご飯を食べながらGPSの指す場所を鎌の先で何回か突いてみると「カツン!」と石質の感触がした。堆積した落葉を剥がすと三角点の標石が現れた。

歓喜の声を上げた後、急いで飯を飲み込んだ。タイムリミットが近づいているので急いで写真撮影をした。保護石がないので見当がつかなかったが、最高地点の平坦地に標石はあった。また、人が来た形跡や祠などの遺構は見つけられなかった。

帰路はリミット通り12:00に出発。一の尾根稜線の藪漕ぎを考えると、二の尾根を下る方がいいと思った。しかし、二の尾根は予想に反して灌木の激藪で、痩せ尾根の部分はクロベの巨木が林立する危険な場所だった。

藪が酷いので、そのまま西進して沢に降りようと思ったが、私の装備は沢用ではないので極力藪を避けながら尾根を下った。沢に落ち込む手前でもの凄い笹藪となったが、追い藪だったので藪流れに気をつけながら下った。

沢に降りる斜面は凄い急斜面だったが、草木が豊富だったのでホールドするものに困ることはなかった。幸いな事に降り立った場所のすぐ上流に落差10m以上の滝があった。本当に手前の尾根で早まって沢に降りなくて良かったと思った。

そして、桑ノ沢を再び渡渉して高度差100m程の枝尾根を登り返すと車に辿りついた。

全行程を振り返ると距離は短かったが、沢、尾根、藪と単独行で低山を満喫するには充分過ぎる要素があり、とても有意義な時間を過ごすことができた。また、私にとっては今後の三角点探訪をする上で良い布石となる探訪となった。
---地名の由来・追記など---
★高松 雄物川支流の高松川沿いに位置する。両岸に山地が迫る。上地長蓮寺跡と三途川遺跡から豊富な縄文晩期遺物が出土。長蓮寺は天台宗寺院の廃寺址という。また、川原毛は温泉地獄として古来著名で、入口に祀られた十王堂は14世紀建立の伝承を持つ。抜粋「角川日本地名大辞典 5 秋田県」角川書店 P399 たかまつ

★桑ノ沢 わき、そば、きわ。キハ(際)の転か。崖。クエ(崩)・ハ(端)の約か。尾根の窪んだ所。
抜粋「地名用語語源辞典」楠原 佑介・溝手 理太郎 P187 クワ
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Author:デコ山さん
秋田県内に設置された、三角点の探訪記。

主に、明治時代に設置された一等~三等三角点を訪れています。

また 標石を含めた現地の周辺調査、地名や点名の由来なども掲載しています。

秋田県内で、藪の中をゴソゴソとやっている人がいたら、それは私です。

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