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宇09 「黒森」 湯沢市雄勝町秋ノ宮役内字出穴沢役内山国有林


地形図とルート
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ビュー: 二等三角点 宇09 黒森(撮影: deco yama3

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秋田・山形の県境「中ノ又山」(矢倉屋敷)から望む本峰(山形県側の尾根から望む)
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大平集落付近から望む前神室山
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薄久内林道と大平林道分岐地点
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定説ルートへ向う支線とミズノミ沢方面へ向かう分岐地点
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駐車地。いざ、出発
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入山地点
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緩斜面の尾根を登る
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低木が邪魔だが歩きやすい
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次第に狭くなる尾根。右手に杉造林地が現れる
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急坂だが登りやすい尾根だった
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急坂を登りきると平坦になった
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広く緩やかな尾根は歩きやすい。所々に古道のようなものが確認できる
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杉造林地との境を歩き続ける。尾根が広いので迷わないように確認しながら進んだ
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さらに高度を上げるとブナ林の広い尾根となった
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快適な尾根歩きが続く。多少、単調に感じた
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次第に藪が出てくるようになった
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さらに藪をかき分け進む。広い尾根だけに迷いやすい
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尾根越しに山頂方面が望めた。あと一息!
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最後に笹藪をかき分けて県境に到着
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藪だが踏み跡(古道)と目印のテープがあるので歩きやすかった
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次第に明瞭になる古道
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山頂が近づくと刈払いの道に出た。山形県側からは登山道がある
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分岐地点
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山頂までは刈払い道があるようだ
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山頂・三角点に到着
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標石
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上部
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簡易レベル測定と携帯電波状況
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山頂から西側の眺望
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鳥海山は頂上部のみ望めた
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神室山方面
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帰りは良く晴れ渡り黄葉が奇麗だった
---基準点詳細---
基準点コード:TR25840333501
点名:黒森
俗称:
所在地:秋田県湯沢市雄勝町秋ノ宮役内字出穴沢役内山国有林68林班そ1小班
冠字選点番号:宇09
種別等級:二等三角点   
地形図:羽前金山
測地系:世界測地系(測地成果2011) 
北緯: 38°56′44″.2326
東経:140°26′58″.4707
標高:1057.57m
選点:明治39年05月24日
設置:明治39年08月19日
観測:明治39年00月00日
備考:余語 久胤
---訪点記録---
訪問日:2014.10.19
自動車到達地点:大平林道起点より北進役150m地点・退避所
歩道:なし 山形県側・檜木森方面への登山道あり分岐より刈払道50m
周辺:広葉樹林 ブナ帯
状態:正常
保護石:0個確認
出発時間:07:54 駐車地
到達時間:10:48 三角点到達
出発時間:11:30 三角点出発
到着時間:12:56 駐車地
全行程:302分
備考:
---訪点の記---
まず、有屋峠・黒森峠とは…

有屋峠(標高921m)は別名・蟻屋峠(郡邑記)、黒森峠、役内峠。役内の西南四キロメートルに位置する。山形県との境。山形県有屋沢を上った上部。南は水晶森「続日本紀」の平戈山(ひらほこやま)か。北は黒森で下がれば薄久内(宇須久奈伊)

天平九年(737年)、鎮守府将軍・大野東人ら雄勝進入の軍団は、大雪でここから戻る。戦国期は地方豪族の争乱の地。慶長八年(1603)佐竹氏は雄勝峠(院内杉峠)を開き、羽州街道の有屋峠越を停止。正保年中(1644~48)「山に水なし」からの移動説もある。戊辰の役(1868年)の激戦地。抜粋「みちのく縄文地名発掘 雄勝-秋田県雄勝町文化調査報告書」 日本地名学研究所編 P214 有屋峠

そこで、インターネットで情報を集めてみたのだが、秋田県側からの登頂記録が見られず、何れも山形県側、入有屋からの登頂記録ばかりで、秋田県側は下山の時の情報が僅かばかりであった。測量の際はやはり山形県側からの通説ルートでの登頂である。

一番の原因は秋田県側のルートの不明瞭さに尽きると思う。地形図に歩道が記載されている繋沢からのルートは条件が悪いと使えないし、情報がないのでどうなっているのか見当もつかない。

そこで、黒森の三角点探訪は「新説・有屋峠」を辿るルートにしようと考えた。

私が辿ったルートはこの付近の地形では一番緩傾斜で、国有林の地図では林班界となっている。私はこの尾根だと新説ルートになるのではないかと考えた。今回は歴史探訪も含め藪漕ぎ覚悟で挑むことにした。

秋も深まりつつある探訪当日、私は少し遅く家を出た。中ノ又山での経験から登頂に3時間という予定を組み、昼頃に着くように設定した。

当日は前日の雨が嘘のように晴れ渡っていた。しかし、私が向かう黒森や神室山方面の山頂は雲の中であった。しかし、風の流れが時間と共に秋晴れを予感させるものであった。

薄久内から更に南下して細くなった道を進んだ。豪雪地帯にも関わらず、奥地には何軒か家があり、朝の秋空に煙突から吐く白い煙が上がっていた。

最奥地の家から砂利道が始まった。傍の緩斜面には立ち入り禁止の看板が立ち並ぶ。無断で山菜を採る輩がいるのだろう。

少し進むと道は二又に分かれた。直進すれば堰堤のある繋ノ又沢へ向かい、右折すると大平林道となっていた。繋ノ又沢への入口は草が覆っていて、奥を覗くことができなかった。訪れる人もわずかなのだろう。今回は通説ルートを辿るのではないので、大平林道に進入したが、こちらの林道も草刈がされていないので林道に生えたススキをなぎ倒しながら進んだ。

前日の雨か朝露か、ビショビショに濡れた車にススキの穂がたくさん纏わり付いた。ワイパーで寄せられた穂がフロントガラスの端に積もっていた。私は林道終点を確認するために、そのまま車をを走らせた。また、上ミズノミ沢のルート入口も見たいとも思っていた。しかし、ビショビショでグチョグチョの藪に覆われている林道終点の絵図らは、決して心地よいものではなく入る気にはなれなかった。結局、私は自ら選択したルート(林班界)を辿る事で意を決したのだった。

私は林道終点から少し戻り待避所に車を駐車した。ここも朝露に濡れていたが、林道終点よりはまだ条件が良かった。すぐにレインスーツを着て身支度を整えて出発した。

入山地点には人工物ではないが、入口のような場所があった。古道らしい雰囲気じゃないかと勝手に想像しながら林内に入って行った。少々、草木が邪魔だったが非常に緩傾斜で歩きやすかった。朝露に濡れた黄葉が朝日に当たり眩しかった。

少し登ると尾根の両側に杉が鳥居のようになっていた。というか、そのように見えた。尾根が狭まってくると右手にスギの造林地が見えてきた。これから向かう先の尾根が少し急坂であった。

登りきると平坦な尾根歩きとなった。天気は上々、尾根筋はすでに乾いており、レインスーツを脱いで少し休憩をした。

再び斜面を登り切った先は再び右手(尾根西側)に植林地が現れた。地形図では標高600m付近である。ここから少し平坦な尾根を歩くと杉造林地との境に古道のような場所が現れた。その先が少し広くなっており、休み場としては最適な場所であった。

杉造林地内は手入れなどされていて歩きやすかったが、秋の柔らかい陽が気持ちよく、多少藪っぽいが歩きやすい緩傾斜の広葉樹林帯の尾根を登った。

以降、緩傾斜の広い尾根が続いた。所々に道のような痕跡を見ることができるが、道なのか判然しないものが多かった。九十九折を必要としない斜面なので、広い尾根の直登を続けた。

藪も適度に濃い場所もあったが、基本的には刈払いをしなくても激藪化しない歩きやすい尾根であった。途中では古道らしき掘割のような、幅2~3m程の道のようなものに2、3度出合った。この尾根に有屋峠の秋田県側の道があったかは定かではないが、この山塊で距離は長いが一番登りやすい尾根であることには間違いないと思う。

このまま県境まで快適な尾根歩きが続くかと思われたが標高800mを過ぎると、灌木と笹がうるさくなってきた。しかし、藪はしっかりかき分けて進むとルートファインディングしやすいものであった。木々の間から山頂が見えるようになると県境が近い事が窺えた。県境の1000m級の山にしては藪が少ない方である。

最後は少し笹藪を漕いで県境に出た。ここはブナなどの巨木が林立する場所のようである。藪が薄い所を歩くと何年か前に置かれた目印のテープが色あせて続いていた。多少藪ではあるが、地形を読みながら進むと歩きやすいことがわかる。山頂の尾根に取りつくころには、はっきりした古道を確認できた。完全に人に踏まれた登山道で、山頂手前の分岐地点に続いていた。

また、この山頂分岐付近から山形県側は、まだ新しい刈払いがあり、立派な登山道となっていた。山形県側ではこの有屋峠登山が盛んなのだろう。対照的に秋田県側は全く有屋峠に興味がないことが状況を見て良くわかる。ここは苦労をしたくない小手先の商売しか考えない秋田県民はぜひ奮起して、山村の観光資源の振興に力を入れてもらいたいところである。

この分岐には標柱があったが、倒れていたので見えるようにしてきた。刈払いの道は山頂の三角点まで続いていて、県境からの登山道を合わせて考えると結構な時間短縮となった。

三角点がある場所は刈払われて広くなっており、西側の眺望が開けていた。下界には雲海が広がり、雲に隠れて雪化粧した鳥海山の頂きが頭を覗かせていた。かろうじて神室山方面が逆光の中で光って見えたが、それ以外の眺望は望めなかった。

三角点の保存状況は良く保護石は無かった。国有林の標石や祠、遺構なども無し。ちなみに通説「有屋峠」(934m)からの道は藪化していた。

しばらく雪化粧した鳥海山を取り巻く雲が無くならないか待ってみたが、なかなか雲が晴れなかったので諦めて下山することにした。充分な休憩で体力は完全復活していた。

帰りは出穴森まで脚を伸ばして別尾根から下山してみようかと思っていたが、やはり新説「有屋峠」を堪能したかったので、同じルートで下山することにした。

秋田県側・新説「有屋峠」を歩いてみて・・・。

大平林道付近から標高600m付近までは多少の急な斜面もあっが、藪を別に考えれば非常に傾斜の緩い安定した尾根歩きであった。条件としても陽当たりは良いが、長い道中やはり水場がなく、この尾根に古道があったかは定かではない。

郡邑記に書かれている水場がないこととルートが一致する。ちなみに水がないは区間は通説で約3km、新説で10km程である。

江戸時代初期には峠が廃止され、佐竹氏により雄勝峠が開削されている。そして、峻険な通説ルートが現在まで残っていたということは、この新説ルートより便宜上使いやすいものであったことがうかがえる。

往時、この山越えで人々の往来や合戦があったことなど微塵も感じさせない悠久の自然を感じながら、独り意地とロマンと探訪に想いを馳せた思い出深い山行となった。
---地名の由来・追記など---
★クロモリ 黒々とした大きな山の森。どっしりとした崖地の山。クロのイメージとして人跡未踏の奥山。「森」は神が鎮座する場所として尊厳がある。
抜粋「地名へのいざない」戸澤敬三郎 P129
★ダシアナサワ ダシ 動詞ダス(出)の連用形で押し出されたような地形をいう。岩石、土砂が谷へ押し出たところ。川の出合う所。アナ 洞窟。三方を丘陵に囲まれた地。穴状に入り込んだ地。ハナ(端)の転で崖地。いずれも険しい崩壊地形を表すようだ。抜粋「地名用語語源辞典」楠原 佑介・溝手 理太郎 ダシ・アナ各頁
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秋田県内に設置された、三角点の探訪記。

主に、明治時代に設置された一等~三等三角点を訪れています。

また 標石を含めた現地の周辺調査、地名や点名の由来なども掲載しています。

秋田県内で、藪の中をゴソゴソとやっている人がいたら、それは私です。

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