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則06 「三角石」 湯沢市秋ノ宮字役内山国有林


地形図とルート
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より大きな地図で 湯沢市 を表示
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役内・新屋敷付近から望む神室山塊と本峰
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駐車地となった昭太郎沢
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小径をを見つけ幸先の良いスタート
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途中で道は途切れ杉造林地内では藪漕ぎとなった
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杉造林地内の急坂を登る
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杉造林地を抜けると広々とした広葉樹林の尾根となった
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ルートを微調整しないと沢目に引きずり込まれるので注しながら登り続けた
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カラマツが混じるようになると主稜線の尾根が近づいてきたのが分かった
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西ノ又川沿いの尾根の縁を登る
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木々の間から前神室山の山頂を望む
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多少歩きやすくなった尾根道
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おっ!三角石を発見(笑) 実際、現地はこのような石が多かった
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傾斜が増すと尾根沿いに小径が現れた
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歩きやすいおかげでペースが上がった。このまま山頂まで続いてくれる事を願った???
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途中で道をロストしてしまう。藪になると踏み跡が消えた
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笹も出てきたので道を探して辿るは諦めて自分のルート取りを戻した
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さらに笹藪が濃くなっていく
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木々の間から下界が見えると何故か嬉しく感じる瞬間
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さらに笹藪は濃密になった
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視界が開ける藪山の醍醐味。高松岳・山伏岳方面の景色
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ブナの原生林が広がる尾根
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遠目では低く感じても実際は背丈を越す藪
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あれはレリーフピーク付近かな?
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こちらは立石山方面の景色
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横堀方面の景色
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小比内山(右奥)羊ヶ岳?方面の景色
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山頂が近付くと藪も低くなった
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山頂の三角点に到着
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標石
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上部
--基準点詳細---
基準点コード:TR35840341001
点名:三角石
俗称:ミカドイシ森
所在地:秋田県湯沢市秋ノ宮字役内山国有林62林班は小班
冠字選点番号:則06
種別等級:三等三角点   
地形図:秋ノ宮
測地系:世界測地系(測地成果2011) 
北緯: 38°55′38″.2902
東経:140°30′33″.2665
標高:1105.62m
選点:明治42年04月24日
設置:明治42年06月18日
観測:明治42年09月23日
備考:佐藤 富吉
---訪点記録---
訪問日:2014.06.28
自動車到達地点:目方石林道終点
歩道:なし
周辺:山林(ブナ主体の広葉樹)
状態:正常
保護石:4個確認
出発時間:07:37 駐車地
到達時間:09:49 三角点到達
出発時間:10:19 三角点出発
到着時間:11:25 駐車地
全行程:228分
備考:
---訪点の記---
この付近の山では「神室山」が有名であるが、この「三角石山」も標高1105m程あり、秋田県では高山の部類に入るかと思われる。しかし、神室山を中心とした前山的な存在で、地形図に山名が記載されていなければ、地味でマイナーなひとつのピークに過ぎない存在となっている。

またこの山の登山道や周辺の情報も皆無に等しく、図書館の書庫にある本を読みあさっても、有力な情報は得られなかった。私的には未知の山ではあるが、三等三角点が明治時代に設置されているので、体力と気力があれば到達できないことはない山であろうと考えるに到った。

まず、最初に机上調査を行った。航空写真を見ると、山頂周辺を含めて灌木帯や笹地ではなく、樹林帯の中であることが確認できた。登攀ルートは神室山の登山道の途中から南東に尾根を登ることも計画した。しかし、この梅雨時期に雨天での増水を考えて、尾根を一つ挟んだ中ノ沢、目方石沢の林道から登るルートを計画した。

探訪当日は少し遅めに現地へと向かった。いや、本当は登るのを躊躇っていた。今年は何故だか体調が優れない。そのコンディションの悪さから山行のモチベーションも非常に低めであった。

当日の朝、最後まで悩んでいたが、「さんかくいしやま」と思っていた「三角石山」だったが、本当は「ミカドイシ」と読むことを「点の記」から知った。単純な私はこの不可思議な名前に衝撃的に惹かれ、探訪を決行することにしたのだった。

役内林道をに入り神室山の登山口がある西ノ又川をやり過ごす。さらに進み、林道・目方石線へと入った。林道は現役で使われており、地形図に記載の少し手前、昭太郎沢まで行くことができた。

林道はさらに続いていたが、バリケードがあり通行止めの看板があった。林道の残り区間は0.3km程だったので、この昭太郎沢の駐車地に車を置いた。

ちょうど山側に踏み跡があり、地形図と照らし合わせてみても、この枝尾根から取りついてルートにできると判断したので入ってみることにした。踏み跡は昭太郎沢を巻くように続いていたが、途中から灌木がでてきて途絶えてしまった。しかも、杉造林地付近では間伐などの手入れが全くされておらず、草木が繁茂する時期と重なり猛烈な藪漕ぎを強いられた。それでも足元の微かな踏み跡をたどって進むことができた。

藪漕ぎを強いられた杉造林地だったが、広葉樹林帯に入ると嘘のように藪が無くなり広々としていた。造林地とに境界にブナの巨木があった。マザーツリーなのだろう。

その広々とした尾根を登って高度を上げていったが、ルートを微調整しながら登らないとすぐに沢目に引きこまれていくような地形であったので神経を使った。注意しながら何度か枝尾根を乗り換え主稜線へと続くルートを登るようにした。

主尾根が近くなるとカラ松林へと変わった。山頂に続く主尾根は西ノ又川に面して明確な一本尾根という感じではなく、涸沢を挟んだ少し複雑になっていていたが、私は西ノ又川側に面した方の尾根をルートに選んだ。

標高875mを過ぎると傾斜が増したが、驚いたことに小径(杣道)が現れた。非常に歩きやすかった。しかし、その急坂区間が終わると再び小径は藪に埋もれて見失ってしまった。標高約960m地点では進路変更が必要で、そのまま直進すると藪の中を西ノ又川に下りてしまうところであった。

実はこの分岐地点は神室山の登山道からの登攀ルートに使う予定の枝尾根であった。ここは特に灌木の密度が凄かったので使わなくて正解だったと思う。

それにしても小さな虫が無数に纏わりついてきて非常に不快だった。ショウジョウバエが主であった。行動中はそんなに気にならなかったが、立ち止まると息ができないほど纏わりついてきた。吸ってしまうことも何度かあり不快だったが、モスキートネットを被るとすこぶる快適になった。

さらにショウジョウバエにまぎれて小さなアブもいたようで、素肌を露出していると知らないうちに咬まれて痛みをともなった。

さらに登り続けていくと標高1000m付近で北西側の視界が開た。藪山から望む素晴らしい景色を眺めて暫し小休憩をした。まだ雪を抱く神室山、前神室山、西ノ又沢から上がってくる風が尾根を抜けて冷たく心地よかった。

山頂手前の急坂付近からはブナの原生林と背丈ほどの笹藪が広がっていたが、それほど密生した藪を形成していなかったので、藪が多少薄くなるブナの木伝いに歩いた。

最後は尾根を辿らずに藪を避けるように斜面をトラバースしながら山頂に辿りついた。机上調査の通り、山頂はブナ林の中であった。

地形図では山頂が一つのピークになっているように見えるが、目方石沢の源頭部が山頂に喰い込んでいて、その峰を二つに割っていた。

三角点は最高地点から2~3m程北の平坦部にあり、保護石が4個あった。他には祠も遺構も何もなく、のっぺりとした単調な場所であった。

樹林帯の中なので眺望は無く神室山も見えなかった。南側に眼をやるとガスっていて、もの凄い強風となっていたが、今いる三角点がある場所は驚くほど穏やかであった。
---地名の由来・追記など---
★サンカク 三角形の形による命名か。仏語の「仏の覚の三相」をいう「三覚」に対する当て字か。近代の三角測量における三角点の設置から地名となったものもあるか。

★ミカド 家、屋敷をいう尊敬語。「豪族屋敷のあった所」の意か。ミヤ(宮)カドで(門)で「神社境内」をいうか。ミ(御)カドタ(門田)の略か。ミ(接頭語)カド(角)
で「角地」のことか。

★ミ-カド-イシ ミ接頭語ミ(御)で「尊敬」の意味を表す。美で美称。ミヅの下略。ミ(廻)で「屈曲した地形」ミ(辺)で漠然とした場所を示す。カド「鋭く尖った所、曲がり角」など。イシ 石の多い地。

★メ-ガタ-イシ メ 狭い所、連続する物と物との隙間、縦横の線で区切られた空間、二つのものの接点、小さい、動詞メグ(壊)、メル(減)の語幹メで、「崩壊地形」など。イシ 石の多い地。

抜粋「地名用語語源辞典」楠原 佑介・溝手 理太郎 サンカク/ミカド/ミ/カド/イシ/メ/カタ

★旧雄勝町の字切図に目方石沢・中ノ沢・昭太郎沢、大船巻沢を含めた一帯が「片倉」となっている。

★みちのく縄文地名発掘 雄勝-秋田県雄勝町文化調査報告書 日本地名学研究所編 第四章 地名と地形語彙・アイヌ語地名考に「聞取り調査」と称し、通称地名と関連する地形語彙の調査を現地で行っている。この中で「険しい山」をクズイ山、山頂が尖っていればサンカク山、トンガリ山と記載している。クズイ山は「キツイ山」と思われ、訛って言うと「クィ・ズィ・ヤマ」となる。

そして、通称では普通「~山」と山を付けないという。また三角石山の記載もあり、地元では「サンカクイシ」と呼ぶようだ。

★「秋ノ宮村地誌」には記載なし。

これまでの事を踏まえて私見を述べてみると「ミカドイシ」は「メガタイシ」と思われ、測量官が案内人の秋田訛りを聞き間違えて付けた点名なのかもしれない。秋田訛りでは早口で「むぇ・ぐぁ・どぁ・い・すぃ」となる。訛りに慣れていない県外の人ならば、非常に聞き取り辛いはずである。

また、この測量官は他に「滝ノ沢」を「竹ノ沢」、「与四郎」を「夜白」にしていたりもするので確信犯と思われる。

「目方石山」、「目方石森」が正式な山名であるとすれば、地形図に記載されている「三角石山」の漢字表記は、五万分の一地形図の製作段階で付けられたことになるはずだ。それこそ漢字表記だけだと「地名用語語源辞典」における「三角測量における三角点の設置から地名にしたもの」となる。

また、実際に役内集落から神室山塊を眺めてみると「前神室山」と「三角石山」の三角形状の二つの山容が前山的な存在として印象に残る(一枚目の画像を参照)。地元で「サンカクヤマ」と呼ばれても違和感はないはずである。(未確認)

憶測ではあるが測量官が「目方(メガタ」と地元での呼称、サンカクヤマの「三角」、(ミカド)を掛け合わせて作った効率的で洒落た名前なのかもしれない。

とにかくこの地域は非常に情報や文献が少なく、世代交代と共に歴史や伝統が忘れ去られ、また廃れてしまうのが非常に残念に思われて仕方がない。
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デコ山さん

Author:デコ山さん
秋田県内に設置された、三角点の探訪記。

主に、明治時代に設置された一等~三等三角点を訪れています。

また 標石を含めた現地の周辺調査、地名や点名の由来なども掲載しています。

秋田県内で、藪の中をゴソゴソとやっている人がいたら、それは私です。

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