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則24 「中森」 湯沢市皆瀬小安奥山国有林


地形図とルート
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高松岳から見た本峰
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虎毛山から見た本峰
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駐車地から虎毛沢まで軌道跡を歩く。これがまた長距離で一苦労
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やっと虎毛沢に到着。水量が少ないので渡渉できそう
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渡渉中、亀甲模様が美しい
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今度は奇岩
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しばらくはゴルジュ帯を進んだ
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次第に狭まる川幅。水量が少なくて良かった
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戸沢出合付近。ここから進めるか不安になった
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落ちると深い。今日は水量が本当に少なかった
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続く悪場所。増水したら逃げ場がない
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猿子倉沢まであと少し。最後の高巻き場所
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ようやく猿子倉沢出合に到着。少し休憩
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猿子倉沢の滝。かなり高そうだった
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急斜面を登る
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桧が林立している区間は藪が薄くて歩きやすかった
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ルートの状況が良く快調に進む
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さらに続く急登
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ブナのコブ
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最後は灌木の藪漕ぎ
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遂に三角点に到着
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標石
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上部
---基準点詳細---
基準点コード:TR35840353001
点名:中森
俗称:猿子倉山
所在地:秋田県湯沢市皆瀬小安奥山国有林1058林班ろ小班
冠字選点番号:則24
種別等級:三等三角点   
地形図:秋ノ宮
測地系:世界測地系(測地成果2011) 
緯度:38°56′46″.2689
経度:140°38′12″.7525
標高:865.28m
選点:明治42年06月04日
設置:明治42年07月16日
観測:明治42年08月29日
備考:佐藤 富吉
---訪点記録---
訪問日:2013.10.05
自動車到達地点:国道398号線小安大湯付近
歩道:虎毛沢まで軌道跡あり。以後、道なし
周辺:山林 ブナ林
状態:正常
保護石:0個確認
出発時間:05:42 駐車地
到達時間:09:53 三角点到達
出発時間:10:09 三角点出発
到着時間:13:46 駐車地
全行程:484分
備考:
---訪点の記---
 当日、風邪を引いてしまい起床時間になっても起きるのが辛かった。重い身体に鞭を打って何とか現地に車を走らせた。白む夜空に満点の星が輝いていた。

 この場所を訪れるのは一年ぶり。何度か挑戦していながら全行程が長く、途中敗退を余儀なくされていた。去年は増水していて流されたのを思い出す。今年はどうだろうか。

 現地の林道に着くと砂利と岩で入口が塞がれていた。今回は本気で封鎖を行ったのであろう。向いの駐車地に車を駐車した。アプローチが長いのでこのコースは自転車を利用している。何度もの挑戦で通った林道を自転車で遡った。

 まだ薄暗い林道を自転車で進んでいると後ろからバイクが来る音に気がついた。何年か前に会ったマイタケ・マンだった。彼にはスパイク付き地下足袋を教えてもらったことを思い出す。教えてもらって以降、峻険な山ではこのスパイク付き地下足袋を履くようになった。彼のおかげである。彼は「まだその三角点狙ってるの?」的な顔をしていたが、呆れられているのだろう。

 彼と別れて途中の板井沢の橋がなくなっていたので自転車を担いで渉った。さらに奥に進むと廃鉄橋跡からは自転車をでデポして虎毛沢まで長い長い歩きとなった。

 虎毛沢は今までで最も水量が少なく、渡渉して歩くには最高のコンディションだった。また、今年の豪雨で川底の地形が変わり、今まで難所だった箇所が楽に歩けるようになっていた。沢装備のない私にはまさに晴天の霹靂だった。

 歩きやすい河原を浮石を避けながらリズムを付けて要領良く歩く。対岸に渉るポイントを効率よく見据えながら時間短縮も心がけた。戸沢の出合いまでは問題なく進むことができたが、猿子倉沢出合いまでの区間が難所だった。

 ゴルジュ帯が狭まるうえに巻かなければいけない箇所が何箇所あり、敗退を余儀なくされていた場所だった。今年は、経験も体力も度胸も付けてきたので、この渇水は私に自信を付けさせてくれた。今日はできると。

 岩は滑りやすかったが、スパイクを効かせてロック・クライミングの要領で巻いた。ちなみに、ホールドする草木はない。水量がないこの時期でも下を見下ろせば3~4m程の水深があるようだった。水は透明度が高くマリンブルーに輝いていた。

 何とかこの区間を過ぎると、あっけないほど目の前に猿子倉沢との出合いに辿り着いた。ついに渡渉区間を制覇、後は峻険な尾根を登るだけだと自分に気合をいれた。いや、その前に飯だということで沢水を飲みながら、おにぎりを頬張った。この時期は虫が湧いてこないのでとてもいい。

 束の間の休息の後は絶頂に達するべく歩き始めた。私の気合が渓谷沿いにこだまする。適当に入りやすい場所から入山、その頂に続く尾根に足を踏み入れた。いきなりの急坂だったが、尾根はヒノキの巨木が林立していてた。ヒノキ林の特徴なのだろう。藪が少なくたいへんに歩きやすかった。いや、私には登山道が続いているように見えた(個人的主観)。ヒノキ林の尾根は途中でブナ林へと変わると藪が出てきた。ちょうど少し東側の支尾根に目をやると、ヒノキ林があったので、その尾根までトラバースしながら乗り継いだ。

 傾斜はさらに増しヒノキの根元を掴みながらよじ登る箇所もあった。一度、平坦になるも山頂直下の鞍部からの登り返しが辛く慎重に歩みを進めた。四肢を使っての登攀になる場面もあった。また山頂の稜線手前は笹と潅木の藪だったが、少しの藪漕ぎで済んだ。

 三角点は最高地点ではなく、少し下った尾根沿いにあった。狭い尾根に三角点は腐葉土に埋もれてあった。保護石はなかったが標石は東西南北でほぼ水平を保っていた。もちろん樹林帯のため眺望はなかったが、西側はブナの原生林が広がる太古の森だった。測量当時であれば、虎毛山や前森山、高松岳や吹突岳などが望めたはずである。

 限られた時間の中で時間を逆算すると長居はできなかったので、私は早々に山頂を後にした。長い渡渉の果てにやっと辿り着くことができたこの山。達成感に包まれながらの下山だったが、また長い渡渉が私を待っていた。

 達成感に安心せず、気を引き締めて帰るはずだったが、気持ちの隙間から疲労感が襲ってきた。集中力が欠け無駄な歩きが多くなった。また、力まかせに歩くものだから、少し足に痛みを覚えたりしてきた。何度も何度も、気合を入れて進み、虎毛沢の渡渉をクリアーした。もう一時間も歩けば自転車まで辿り着ける、家に帰れると思うと次第に集中力が戻ってきた。

 その一時間後、なんとか自転車まで辿り着いてサドルに跨った。ここからは下り坂がほとんど。仮面ライダーさながらの走りで駐車地に辿り着いた。孤独との戦いの果てにまた、一つの頂に立つことができたのである。

 このコースは全行程が長く、増水した時は確実に命に危険が及ぶ。現実にこの虎毛沢源流部では過去に何人もの人が命を落としているのが事実である。
---地名の由来・追記など---
★猿子倉山 サル(砂礫の土壌・湿地・崖地)クラ(剥・倉)で険しい崖地、谷や断崖のある地形という。
抜粋「地名へのいざない」戸澤敬三郎 P159 サルクラ
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秋田県内に設置された、三角点の探訪記。

主に、明治時代に設置された一等~三等三角点を訪れています。

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秋田県内で、藪の中をゴソゴソとやっている人がいたら、それは私です。

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