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則22 「竹ノ沢」 湯沢市皆瀬小安奥山国有林


地形図とルート
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ルート計画図
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高松岳方面から見た三角点峰
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三等三角点 則23 「夜白」方面から見た三角点峰
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小安峡のスラブ谷
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森林軌道(廃線)鉄橋
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廃鉄橋の下からの眺め
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虎毛沢を渡渉しながら進む
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滝ノ沢出合
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滝ノ沢の由来の滝?
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小さな滝が続く
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尾根に取りつき開始
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藪尾根から隣峰を望む
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山頂三角点に到着
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標石
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上部
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---基準点詳細---
基準点コード:TR35840350201 
点名:竹ノ沢
通称:滝ノ沢 
冠字選点番号:則22 
種別等級:三等三角点 
地形図:秋ノ宮 
測地系:世界測地系(測地成果2011) 
緯度:38.5521.8864 
経度:140.3920.2944
標高:904.26m
選点:明治42年00月00日
設置:明治42年00月00日
観測:明治42年00月00日
備考:
---訪点記録---
訪問日:2010.10.09
所在地:秋田県湯沢市皆瀬小安奥山国有林1052林班へ小班
自動車到達地点:大湯温泉を南進0.4km皆瀬林道0.3km車止め
歩道:春川・虎毛沢合流地点まで小径あり(廃線跡)
周辺:山林・笹地
状態:正常
保護石:4個確認
出発時間:05:58 林道駐車地
到達時間:10:10 三角点到達
出発時間:10:33 三角点出発
到着時間:15:17 林道駐車地
全行程:559分
備考:
---訪点の記---
この三角点へ到達するのに二度のアプローチが必要だった。一回目はルート選択の失敗である。小安温泉・大湯から春川まで廃線になった森林軌道跡が延びていて、大湯から虎毛沢までは約8kmの距離を徒歩で歩くことになった。

森林軌道は2級線で1940年から1965年12月まで運用されていたので、工事期間を考慮しても設置した明治時代には現在の大湯からの道は無かったことになる。現在の森林軌道跡は徒歩か二輪のみ通行可能で、距離も長く危険な個所もあり、ボロボロの廃鉄橋を渡らなければいけないスリルも待ち構えていた。明治時代に設置したこの区域の三角点の点の記がないので、どのように三角点へアプローチしたのか詳しい事は不明だが、設置した当時は相当の苦労が生じたはずである。

まず、一度目に訪れたときは春川・虎毛沢の合流地点から坪毛沢まで渡渉しながら進み、同沢を遡行しながら支尾根を登り詰めるAルートを選択した。このルートは実際には地形図より険しい地形で、崖と薮に阻まれて時間がなくなり途中で引き返す事になってしまった。

二度目に予定していたルートはBルート。適当な杉の造林地からP849を付近の尾根を越えて三角点を目指す予定だった。ちなみに春川方面少し入ってみたが軌道跡は廃道となっていて進むことができなかった。渡渉にてアプローチするしかない。

Cルートは予備に用意したルート。この春川の枝沢の地形詳細が地形図からわからないうえにこの付近は枝沢に入ると滝が待ち構えている可能性がある。下見なしには選択できないルートで日帰りで帰ってこれるか不明。

Dルートは山の名前でもある滝ノ沢を詰める正攻法なルートと思えるが、滝ノ沢に入るとやはり20mの高さを越える滝があり、通常の装備での登攀は不可能と思われ予定から外した。

二度目の挑戦で私が小雨の降る中を軌道跡を歩いているとバイクに乗った山師が追い越していったが、大滝沢の手前で入山の仕度をしているところで再び出会った。簡単に挨拶を済ませ私が滝ノ沢山の三角点まで行く話をすると、Dルートの滝ノ沢を詰めるといいと教えられた。滝があって登れないと言うと途中から左壁にトラロープが張ってあり2週間前に登れる事を確認してきたからそこから行くといいと教えてくれた。この山師、話を聞くと相当この区域の山々を歩き尽くしているようで説明も詳しかったが足も速かった。

虎毛沢出合で山師とお別れをして私は虎毛沢の渡渉を開始した。水が少なく歩きやすい。所々にサワモダシがあったが過ぎ加減で全てダメになっていた。日中の気温が高いせいだろうか?

20分ほどで滝ノ沢の出合に到着した。入渓してすぐにあの滝があった。沢師ならこの程度の滝なら余裕で登りきるだろうが、足場も命綱もないトラロープだけの登攀は脚がすくむ思いがした。足場が無く爪先を立てながらロープを掴み一歩づつ滝上に向かった。落ちる=死亡は避けられない時間が登りきるまで続いた。
やっと登りきったときは非常に安心したが、私は帰りは別のルートで下山するべきだろうと模索した。

とりあえずはこの沢を詰めることに専念した。その後も渓は続き何度か滝が現れたが、いずれも左右どちらかを巻いて登れるものであった。

しばらく登りつめると沢は2又に分かれた。地形図では沢の表示がここまでで山頂直下の支尾根の分岐地点となる。
ここからは2股に分かれた沢の正面の尾根を登ることにして高度を稼いだ。途中からブナやクロベの巨木が現れ笹薮も深くなった。800m付近まで登ると尾根沿いは風がたいへんに強く、北斜面をトラバースしながら三角点を目指した。

山師が教えてくれた三角点まで小径があるという話は現在は廃道になっているものと思われ、道は見つけられなかった。10:10にやっとの思いで三角点に辿り着くと、そこはやはり笹薮で周りの眺望は得られなかったが達成感で私の心は満たされた。

急にお腹が減ったように感じられたので、そのまま昼食と休憩にすることにした。食べ終わると三角点の周りの笹を少し刈り払い、標石に着いた苔を取り除いたり周りの落ち葉を取り除いたりすると保護石が4個出てきた。吹き抜ける風がとても冷たく、身体がどんどん冷えてきたので一通り撮影を終えると下山を開始した。

滝ノ沢に戻ると沢沿いにサワモダシがあったので少しだけ採りながら帰ることにしたが、気がつくとあの”滝”の所まで降りて来てしまっていた。疲れがピークに達して別のルートを考えられなかったのである。仕方が無いのでトラロープを握って降りてみたが、足場が見えず恐怖が襲ってきた。命綱もなく、まるでランボーが警察から追われて仕方なく崖を降りるシーンに似た光景となった。支点を確保するために崖に身を寄せると胴長の胸から冷たい水が入ってきた。しかし、今は、この瞬間だけは命のほうが大切だったので、気にせずに降りることだけに専念した。本当に足場が無い宙ぶらりんの状態で、少しでもバランスを崩すと20m下の滝つぼに吸い込まれて落ちそうだった。

ロープを握り返しながら少しずつ降りたが、ロープに絡まり終に身動きが取れなくなってしまった。パニックになるのだけは避けたかったが、全体重を抑えているのは二本の腕だけだったので必死だった。前にも後ろにも引けない状況になってしまい情けない声も少し出たが(笑)家族を思うと必死にロープにしがみついた。そろそろ両腕が限界を迎え始めた頃、我に返り冷静さを取り戻すと、少し上に木の枝があるのに気づいた。

手を思い切り伸ばして掴んでみると(ファイト!一発!)支点になりうるものだったので、片方の腕でロープと枝を交互に伝いながら私は降りた。滝の下に着いた頃には気が抜けてしまっていた。しばらくは放心状態で滝を見上げていたが、ここで命があることに感謝した。こんな所を平気で登り降りする沢屋の気がしれない。

気を取り直して残りの帰り道の距離を考えると気を引き締めないといけなかったが、体力と気力は限界まで来てしまっていた。すると突然、目の前でガサゴソと音がするので見てみると、なんとあの山師ではないか!こんな山奥でピンポイントで再び出会うのは奇跡に近いと思う。何かの縁なのだろうか。しばらくはこの山師と道中を共にした。ちなみに山師はあの滝を4~50kgの荷物を背負って通るそうだ。考えられない。

大滝沢付近で山師と別れると長い軌道跡の歩きが待っていた。さすがに体力の消耗が激しく歩みも遅い。脚も痛いが今日は股が痛い。良く見て見ると歩きすぎて付根と○袋が擦れてメロメロに皮が剥けていた。これには参ってしまって車止めに着く頃には私は白く灰になってしまっていた。矢吹良くも悪くもこれからの三角点探訪に対する体力的、精神的なデータを得ることができた。

この探訪で出会った山師にこの場を借りて感謝したい。

05:58 車止め出発
06:39 廃鉄橋通過
07:38 虎毛沢出合
08:00 滝ノ沢出合
09:10 頂上直下尾根登り開始
10:10 三角点到達(252min)

休憩・昼食(23min)

10:33 三角点出発
12:41 滝ノ沢出合
13:30 虎毛沢出合
14:28 廃鉄橋通過
15:17 車止め到着(284min)
---地名の由来・追記など---
点名は「竹ノ沢」だが「滝ノ沢」の聞き違いと思われ、「臼ケ岳」も「牛ケ岳」となっている。私が登った滝が名前の由来になる滝かと思われる。
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秋田県内に設置された、三角点の探訪記。

主に、明治時代に設置された一等~三等三角点を訪れています。

また 標石を含めた現地の周辺調査、地名や点名の由来なども掲載しています。

秋田県内で、藪の中をゴソゴソとやっている人がいたら、それは私です。

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